まぶしすぎる空の下、チキン南蛮界のキングに出逢った話。【RYU〜都城〜】
肉・・・・!
肉が食べたい。。
そう、その日私は肉を欲していた。
ただの肉ではない。
コレナガの大好きな肉。
そう、それはチキン南蛮!!!
でも、わたし・・・もうただのチキン南蛮じゃ物足りないの。。
チキン南蛮に揉まれて育った私は、もはや普通のチキン南蛮じゃ物足りなくなっていた。
そう、ただのチキン南蛮じゃない。
「わいはチキン南蛮の中のほんまもんに会いたいんや。」
そんな切ない気持ちが交差する中、ふと昔一度だけ食べたことがあるチキン南蛮を思い出した。
そうや・・!あれや!
わいが求めてたチキン南蛮はあいつや!!!?
そんな微かな記憶の中、わたしはある場所へと向かった。
まぶしすぎるくらいの太陽が、私が見上げる看板をより一層大きく見せた気がした。
「ただいま。随分長い間、待たせちゃったね。。」
数年ぶりに訪れるその場所に、なんだか胸がぎゅっと締め付けられた。
しかし、数年経っても変わらないその外観がなんだか私を安心させた。
まるで「おかえり。」とでも言ってるようだった。
店内に入ると、昼時ということもあって満席状態だった。
あぁ、やっぱり予約するべきだったなという小さな後悔も束の間に、ちょうど前の客が席を立ったところだった。
そのおかげもあって、すぐに席に座ることができた。
久しぶりの再会は、どうやら幸先が良さそうだ。
席に座ると、よく冷えたお水とメニューを持ってきてくれた。
しかし、せっかくのメニューもそのときの私にはもはや無用だった。
そう、私には既に心に決めた相手がいたから。。
「すみません。チキン南蛮のモモ身をお願いします。」
優柔不断な私がこんなにも早く決められるのは、実に珍しいことだった。
冷静を装いつつも、私の頭の中は「やっと逢える・・。」という期待感と久しぶりの再会からの緊張でいっぱいだった。
「お待たせしました。」
ドキッ。。
随分と早い到着に少し戸惑っている自分がいた。
まだ心の準備ができていなかったのだ。
「こちらつけあわせのサラダです。」
「なんだ、サラダか・・・。」
内心、サラダであったことにほっとしている自分がいた。
シャキシャキと新鮮なサラダは、私の空腹を満たすためのウォーミングアップにピッタリな一品だった。
上にかかったドレッシングもあっさりとしながらも、サラダとよく絡みあっという間に食べ終えてしまった。
「お待たせしました。」
その時が訪れたのは、食べ終えて窓の外をぼんやりと眺めているときだった。
そう、気が抜けた時に訪れたその瞬間、一気に私の中のアドレナリンが放出されたのがわかった。
ついに、ついに、この時が・・・!?
「こちらチキン南蛮のモモ身でございます。」
「あぁ、やっと逢えたねっ・・。」
そこには数年前と変わらず、ドンと構えているモモ身の姿があった。
それは正に、私が求めていたチキン南蛮そのものだった。
その姿は、まるで・・・
チキン南蛮界のキングのようだった。
キングの堂々とした佇まいに、胸の鼓動がドキドキと鳴っているのがわかった。
その主張の強さから、普通サイズのごはんすら何故か小さく見えた。
ナイフで一口大に切り、最初の一口はゆっくりとそう丁寧に口に運んだ。
「あぁ、しあわせってこうゆうこと。。」
一口食べた途端、自分の顔が緩んだのがはっきりとわかった。
美味しい。
そんな一言で語りつくせないのはわかっていたが、美味しかった。
そう、美味しかったのだ。
お肉からは肉汁が溢れだし、私の口の中で実に優雅に肉が踊っていた。
宮崎特有の甘めのソースと、さっぱりとしたタルタルソースは正にベストカップル賞だった。
そして、付け合わせもこれまた美味しい。
昔ながらの甘めの人参や、マッシュポテト。
チキン南蛮を影で支えるだけでなく、その舞台に立派に華を添えているようだった。
気付けば、あっという間にお皿の上のご馳走はなくなっていた。
どうやら私のお腹の中に、綺麗さっぱりゴールしたようだ。
久しぶりの再会は、緊張もするがやはり楽しいものだ。
そんなことを思い出させてくれたキングにここで改めてお礼が言いたい。
「キング、本当にありがとう。」
これを書いていると、また自然とキングに逢いたくなってしまった自分がいた。
どうやら、次の再会はそう遠くはなさそうだ。
<お店情報>
■営業時間
(ランチ)11:30〜15:00
(ディナー)17:30〜21:00
■TEL:0986-25-1101
■食べログHP:https://tabelog.com/miyazaki/A4503/A450301/45002593/